東京都心で開花宣言
昨日,3月21日,気象庁は,東京都心でサクラ(ソメイヨシノ)が開花したと宣言しました。
今年の春では全国で一番早い開花宣言となりましたね。
ちなみに日本気象協会の22日現在の桜の開花予想では,神戸は3月29日となっていますね。あと1週間ですね。
どうして開花予想ができるの?
さて,この毎年出される桜の開花予想ですが,どうしてこんなことができるのでしょうか?
この開花予想で言われている桜は「ソメイヨシノ」という種類のことです。
実は,このソメイヨシノならではの特徴があるから,開花予想ができるのです。
その一つは,花が咲くまでのメカニズム。
実は,ソメイヨシノの花は,急につぼみができて咲くのではなく,前の年の夏にすでにその準備が始まっているのです。すごいですね。びっくりしますね。
まず夏に「花芽形成(かがけいせい)」という,準備が行われます。
でも,そのままいったん,お休みします。
これを「休眠」と言います。
この「休眠」状態で冬を迎えるのですが,この時にある程度の厳しい寒さが続かないと目が覚めません(この計算には諸説あります)。
その後,冬の厳しい寒さで目が覚めた芽は,咲く準備を始めます。
これを「休眠打破」と言います。
立春以降の平均気温の合計が400度以上など,これまたいろいろ計算の方法はあるのですが,一定の気温の高まりがあって,ようやく開花となります。
つまり,開花予想をしているところは,これからの気温がどうなるだろうか?いつもの年に比べて寒いだろうか?暖かい日が続くだろうか?というのを予想して,その結果,ソメイヨシノはいつ頃咲くだろうか?という予想をしているのです。
夏に花芽形成をして,いったんお休み(休眠)。
寒さで目が覚めたら(休眠打破),後は暖かくなるのを待って咲く。
そういうメカニズムなんですね。
また,「ある程度寒くならないといけない」ので,年中,温暖な沖縄ではソメイヨシノは花を咲かすことができません。夏に花芽形成をしても,ずっと眠ったままになってしまうのです。
ソメイヨシノはクローン
ソメイヨシノは,江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交配してできた一本の樹が元祖,というのが研究の結果わかってきています。
日本中にあるソメイヨシノはみな,一本の樹から接ぎ木や挿し木で増えていったものなのです。
ということは,みんな「同じもの」です。個性はありません。
基本的にみな同じ性質を持っているのです。ですから,温度に対する反応もみな同じ,と考えることができるのも,開花予想ができる理由の一つなのです。
気温の変化とクローンであること。この二つの特徴があるから,ソメイヨシノの開花予想ができるんですね。
来週には開花して,春休み中はあちこちでお花見を楽しむことができそうですね。
おっと,春休みといえば,春期講習2017もお忘れなく!
教室の中は,春どころか,きっと夏を先取りするくらいに暑い・熱い時間となるはずです。